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化名(仮名)のひみつ



▼3集
小龍蝦、白玉、尹框の名乗りの場面から。


こういうシーンは、吹き替えにしても字幕にしても難しそう。
だいたい説明しにくい字だ・・・尹框って。

最初に朱允は「毒壁虎(毒イモリ)」 白雲飛は「血蜘蛛」と名乗るが、
「そんなのでたらめだからダメだ!」と小龍蝦に却下される。

朱允が「白虎」である白雲飛の「虎」を含む「毒壁虎」で、
白雲飛が「朱雀」である朱允の「朱」を含む「血蜘蛛」だと、
陰陽五行の世界でつじつまが合わなくなるから。


●白雲飛⇒白玉
白云飞: 在下姓白,名玉。黑白的白,美玉的玉。
「姓は白、名は玉。白黒の白に、美しい玉の玉だ。」

「黑白,美玉」には「善悪、美人」の意味を含んでいるが、
同じような意味のことを言うにも朱允は「秋水伊人 匡扶正义(涼やかな人、正義を助ける)」なのだから、
ほんと、朱允の頭のキレに太刀打ちするのはたいへん。


小龙虾: (笑)什么美玉红粉的。娘娘腔。你一个大男人,还不叫“白娇娘”算了。
「なにが美人紅さすだ。お嬢さんかよ。男だったらむしろきれいな生娘だろう」
(このせりふの「叫」は、「白嬌娘という名だ」というより「白嬌娘を呼ぶ」という意味で使われていると思う。小龍蝦・・・この頃はほんとチンピラだ。)

「白娇娘」って
最初よく分からなかったけど、「生娘」のことである。
「白地(手付かずの土地)」のように「白」には「何も加えない、そのままの、処女の」の意味がある。

小龍蝦、ぽんぽん突っ込む。小龍蝦に完全に負けている白雲飛。
それに笑ってしまう朱允。笑いのツボが合うようだ。

小龍蝦、朱允に向かって
「彼が生娘の白玉で、お前はキズモノの彩霞(朝焼けの赤く染まった雲)じゃあないだろうな。」
朱允が一瞬ひいてますョ。。。


●朱允⇒尹框
それで、朱允の名乗り。

朱允: 我叫尹框。秋水伊人的伊傍边去掉个人,
这个匡扶正义的匡,在家个木头边啊。
「俺は尹框。「秋水伊人」の「伊」から人べんを取って、「匡扶正义」の「匡」に木へんを付ける。」

「秋水伊人 匡扶正义(涼やかな人、正義を助ける)」
と、小龙虾の行動をたたえながら、
「去掉个人、再加个木头边」
とは、涼やかな「不是人(人でなし)」に「木头(木っ端)」をくれてやる
なんてことばが、背後に隠れてるようにも聞こえる。

匡に木を加えて、というところは、「独木不成林,我来加个木头」
そんな気持ちの表れかも。。。

自分は「君」たるに口足らずな「尹」、
「木头人(朴念仁)」 ならぬ木头王「框」
という皇上の自虐的な思いもあるような。。。

小龍蝦もどこから突っ込んでいいかわからないので、
耄无创意,淡而无味。
つまんない名前!と岩から降りてしまう。この勝負、朱允の勝ち。


二人の名前は
白玉: 白与(いたずらに与える)、白欲(いたずらに欲す)
尹框: 阴诓(陰で騙す)、阴匡 (陰で支える) 
の音に通じ、彼女に対する態度や行動を暗示するようにも感じられる。


●「順口」な小龍蝦

朱允に「小龍蝦も本当の名前じゃないだろう?」と言われて
小龍蝦は「もともと"龍少侠"だったけど、こんなふうにおっかないから、人が"少"の字を取っちゃった。それで"龍蝦"になったんだ」と説明する。

朱允「小龍蝦のほうが龍少侠よりずっとごろがいいな」
白雲飛「この小龍蝦は食ったらわりと口当たりがいいぞ」
「ごろがいい」も「口当たりがいい」も「顺口(shun4 kou3)」。
小龍蝦自身の口ぶりは「順口」のもうひとつの意味「口から出任せ」のようで、
朱允の突っ込みは「小龍蝦のほうがよっぽどでまかせだな。」にも聞こえる。

「でまかせ」荒業の小龍蝦、「語呂」で巧みにこねくり回す朱允、「味覚・本能」で食らいつく白雲飛。
こんなところにも三人の行動・思考傾向の一端が表れる。

参照:
化名(仮名)から見る成長の鍵


★注意書き


○ このブログは、「刁蛮公主」の物語分析ブログです。「刁蛮公主」の中身をすっかり語ってしまうので、これからドラマを見る予定の人にはこのブログをあまり読まないことを勧めます。
○既にドラマをご覧になったことのある方は、当ブログの穿った分析にあきれてくださることと思います。
○中国語学習中の方は、故事成語などの語彙をカテゴリー別に分けてまとめているので、よろしければご参考ください。 そんな方いるかな?
・・・じゃあいったいどなたがここを見るのでしょう??? 

○ ドラマはyoutube にも"The Mischievous Princess"のタイトルで繁体中国語版があるので、お試しはそちらから。
The Mischievous Princess Ep. 1 (Part 1 of 5)

http://jp.youtube.com/watch?v=lWM7hwK5Ai8

○じっくり楽しむなら、ぜひDVDで。DVDは簡体中国語字幕版もあります。
○人物名、語句、話数(○集)などのブログ内串刺し検索には、画面上部の検索ツールの活用を。作品紹介の各話ごとにも関連記事リンクあり。

白雲飛登場にまつわる語



▼1集

雲南国王子 白雲飛の登場シーンは、可笑しすぎるくらいに派手で「なんで!?」と思っていたのだが、
この数分のシーンに彼の性格やこの後の行動、物語の別の場面を暗示する成語や俗語が満載されている。 (以前上海で買った「俗語小辞典」が大活躍。)
(まだ完全に把握できていない。请多指教。
*2008/11/05一部追加。*2008/11/23さらに追加。)


○小龍蝦と阿蓮は、万人敵らに梁君卓の追剥を任せて、後からそれを巻き上げようと計画する。
守株待兔(shou3 zhu1 dai4 tu4)
成語:切り株の番をしてウサギを待つ。自分では努力しないでうまい収穫にありつこうとする。
坐山观虎斗(zuo4 shan1 guan1 hu3dou4)
俗語:山上に座して相打つ虎が倒れるのを待つ。利益を横取りしようとして他人の争いを傍観しているたとえ。


○夜道を白雲飛が馬で走ってくる。
一条路走到黑(yi1 tiao2 dao1 zou3 dao4 hei1)
俗語:まっしぐら。頑なに自分の視点や行動を維持する。


○白雲飛は風呂敷包みを背中に背負っている。
背包袱(bei1 bao1fu2)
俗語:荷を負う。行動の負担、責任を負う。


○白雲飛は崖に行き当たって、手綱を引き締め馬を止める。
悬崖勒马(xuan2 ya2 le2 ma3), 优未为晚(you2 wei4wei2 wan3)
俗語:断崖の手前で馬を止めればまだ遅くはない。破滅の寸前で心を入れ替えればまだ助かる、という戒めの言葉。
ほんまに、白雲飛に思いっきり叫んでやりたい言葉。


○侍従の無双が「時間も遅いから早く行きましょう」と促す。
・・・人の忠告を聞くべき、という言葉があるはず。忠告を聞いてもむだ、というのも。

○万人敵らは「老虎屎」(トラのウンチ)の壺を抱えて、梁君卓を待っている。
これを馬にぶつけてびっくりさせ、落馬したところ荷を奪おうと計画している。
匹夫之勇(pi3fu1 zhi1 yong3)
成語:匹夫の勇。血気にはやるだけの向こう見ずな勇気。
蚍蜉撼大树(pi2fu2 han4 da4shu4)
諺:アリが大木を揺り動かす。己の力の小ささを知らないたとえ。身の程知らず。

○梁君卓と侍従が馬を駆って通り過ぎる。万人敵らは寝てしまって気づかない。
笨鸟先飞(ben4 niao3 xian1 fei1)
能力が劣った鳥は周りに遅れることを恐れて、他の人より先に飛び立つ。
骏马每驮痴汉走,巧妇常伴拙夫
俗語:駿馬はつねに痴漢を駄して走り、巧妻はつねに拙夫に伴う。
足の速い馬はとかく愚か者を乗せて走る。よい妻はとかく愚夫につれそう。
・・・この言葉の呪いがずっと効いていくのだ、とわかった。


○梁君卓の速い馬に追い抜かれた白雲飛と無双が並足で同じ道を通る。
我行我素(wo3 xing2 wo3 su4)
成語:他人がなんと言おうと一向に頓着せず、自分の今までどおりのやり方でやる。

重蹈 梁君卓的覆辙(zhong2dao3 fu4zhe2)
成語:二の轍を踏む。前の人と同じ失敗を繰り返す。
・・・前车之覆,后车之鉴(qian2che1 zhi1 fu4, hou4che1 zhi1 jian4)前車の覆るは後車の戒め、だけど、ここで梁君卓はひっくり返らなかった。

○梁君卓ではなく白雲飛であることに気づかず、万人敵らは攻撃する。
打马虎眼(da3 ma3huyan3)
目を欺く。目を掠める。にせものをつかませる。


○熊二がウンチ爆弾を放つが、一発目は万人敵の顔に。
○ウンチを当てられた白雲飛の馬は驚くが、白雲飛は高く飛び上がって落馬しない。


○流れ弾のウンチが無双の馬に当たって、無双が落馬する。
城门失火,殃及池鱼(cheng2men2 shi1huo3, yang3ji2 chi2yu2)
成語:(城門の火事を消すのに堀の水を使ったため、魚がみな干上がる)思わぬ巻き添えを食う。


○万人敵ら三人が小斧を持って白雲飛に襲いかかるが、白雲飛は素手でかわす。
赤手空拳(chi4shou3 kong1quan2)
成語:徒手空拳。武器を持たずに素手で立ち向かう。


○万人敵は人間爆弾になって白雲飛に飛び掛る。
(次第にやり方が派手になる、とか、増長する、のような言葉があるはず。)

○白雲飛は人間爆弾をかわし、無双がまたも飛ばされ石で頭を打つ。
雪上加霜(xue3 shang4 jia1 shuang1) / 祸不单行(huo4 bu4 dan1xing2)
成語:災いは重なる。泣きっ面に蜂。
一而再,再而三(yi1 er2 zai4 zai4 er2 san1)
三番两次(san1 fan1 liang3 ci1)
俗語:二度あることは三度ある。何度も何度も。繰り返し。

○2発目の人間爆弾の万人敵を、白雲飛は上から押さえつけ、地面に大きな穴を開ける。
弄巧成拙(nong4 qiao3 cheng2 zhuo1)
成語:うまくやろうとして却ってしくじる。

吃一堑,长一智 (chi1 yi2 qian4 zhang3 yi2 zhi4)
俗語:一度しくじればそれだけ賢くなる。


○万人敵を助けようと穴に飛び込んだ巴虎と熊二は、白雲飛に蹴り飛ばされる。
飞蛾投火(fei1 e2 tou2 huo3)
成語:飛んで火に入る夏の虫。自ら滅亡を招く。飞蛾扑火。 飞儿・・・?
自投罗网(zi4 tou2 luo2 wang3)
成語:自分から進んで網にかかる。飛んで火にいる夏の虫。

○白雲飛は万人敵に剣を持って飛び掛るが足をすくわれる。
摔跟头(shuai1 gen1tou)転ぶ、失敗する

○万人敵は白雲飛もろとも網にかかってしまう。
上下入れ替わりながら争う白雲飛と万人敵。
作茧自缚(zuo4 jian3 zi4 fu4)
成語:カイコがまゆを作って自分をそのなかに閉じ込める。自縄自縛。

○白雲飛は上になったとき背後から頭を殴られ、気を失う。
给敌人以可乘之机(ke3 cheng2 zhi1 ji1)
敵に「付け込まれる隙」を与える。

○その間に、万人敵らは風呂敷包みを丸ごと盗みとんずらする。
金蝉脱壳(jin1 chan2 tuo1 qiao4)
成語:もぬけの殻になる。人知れず姿をくらます。
・・・たびたび出てくる兵法。


○巴虎と熊二は、小龍蝦が待っていると言うが、万人敵は叫做不起早的鸟儿是没有虫吃的」と言ってそのまま逃げ出す。
俗語:朝寝坊の鳥は虫を食べられない。The early bird catches the worm.
・・・いやいや、早く起きなかったためにお目当ての虫を食べられなかったのは、万人敵ら自身だよ。

○林の中で早速包みの中を確認する三人。


○小龍蝦らは、狼の声まねをして、万人敵らを驚かす。
鸡鸣狗盗(ji1 ming2 gou3 dao4)
成語:『史記:孟嘗君伝』鶏の鳴きまねをして人を欺いたり犬のように者をこっそり盗む者のおかげで難を逃れた故事から。物まねやこそ泥のようなくだらない才能の持ち主。また、くだらない才能でも役に立つことがあるたとえ。
・・・5集で、小龍蝦らの夜盗に加担して斉国候の蔵を摘発しようとする皇上は苦言を呈されて、「鶏鳴狗盗は美談なのに」と言い返してます。


○万人敵は、木にぶつかり、木の上から仮面をかぶって降って来た小龍蝦に目をむき、背後を走る影をますます怖がって、あわてて包みを放り出し逃げ出す。
守株待兔が大成功。
杯弓蛇影(bei1 gong1 she2 ying3) 
成語:杯中の蛇影。疑心暗鬼して周章狼狽するたとえ。
・・・4集で梁君卓が吸血鬼?におののくのもこれ。

甩掉(shuai3 diao4)包袱 重荷(になる人・物事)を打ち捨てる。
掉包儿(diao4 baoer1)物をこっそりすりかえること

坐地分赃(zuo4 di4 fen1 zang1)
成語:(盗賊のかしらなどが)何もせずに盗品の上前を取り上げる。ピンはねする。「坐山分赃」


○小龍蝦と阿蓮は、包みを開ける。 小龍蝦は腕飾りに目をつける。


○一方、意識を取り戻した白雲飛は包みがなくなっていることに気づき、人生最大の屈辱だと言い、広い城都の中でも見つけ出し、絶対に腕飾りは取り返す、と決心する。
千方百计(qian1 fang1 bai3 ji4)
あらゆる手段を講じる。百方手を尽くす。

○白雲飛は盗まれた包みのことで頭がいっぱいで、頭を怪我した無双のことはほったらかし。

「龍」にまつわる語


来龙去脉(lai2 long2 qu4 mai4)
成語:(龍が来て、跡を残す) 事のいきさつ。原因と結果。

頻出成語。たいていの事件に「小龍蝦」がからむので、ほんとに「龍の通った跡」が残る。
何より朱允の心に。


彼には、
来龙去脉(lai2 long2 qu4 mo4)
と読んでやりたい。
脉脉(mo4mo4)は「ものをいわずに目またはそぶりで意思を伝えるさま」(書面語)

脉脉含情(mo4 mo4 han2 qing2)
黙ったまま思いを寄せる。思わせぶりな様子をする。


朱允が夜の后院で愛をささやくシーンでは、
笼络(long3 luo4)篭絡する
という語が浮かんできます。




「義兄弟」「友」にまつわる語


▼3集
小龍蝦、朱允、白雲飛が義兄弟の契りを交わす場所。
木々は緑の葉を付けていたが、きっと春には桃の花が咲く。

桃园三结义(tao2yuan2 san1 jie2yi4)
『三国志演義』桃園(とうえん)の誓い。劉備・関羽・張飛が義兄弟の契りを桃園で結んだという故事(史実ではないそうだが)。


断頭に処せられる白雲飛を救うために、司徒静が命がけで偽勅旨を示すのは、もちろん
刎颈之交(wen3 jing1 zhi1 jiao1)
『史記:廉頗藺相如伝』刎頚の交わり。その友のためならくびを斬られても後悔しないほどの真の交友。
だからである。

白雲飛が断頭台に上がる気持ちは、これとは違いますが。
そして、26集でなんと「吻静(wen3 jing1)之交」になっていた。

断金の交わり(断金の契り)
金蘭の交わり(金蘭の契り)

二人(ににん)心を同じうすれば、その利、金を断つ。
同心の言は、その臭(か=香)蘭の如し。(孔子の言による)
深い友情のもとに同心一体となれば、硬い金属をも断つことができる。
また、まことに心を同じくしていけば、その互いの言葉は蘭の香りのごとく芳しい。

「女」にまつわる語


▼4集
縁談が来ていることを聞かされた司徒静は、「わたし、お嫁になんて行かない。ずーっとこのうちにいるの」と言います。(家にいると息が詰まるくせに。。。)

女大不中留,留下结怨仇(nv3dà  bùzhōngliú  liúxià  jiéyuànchóu)
俗語:成人した女子が嫁に出ないとうらみの種をまく。

・・・「年頃の女の子」が家にいるといかにすさまじいかという、「刁蛮公主」は恐ろしい教訓物語のドラマである。(とくに兄の剣南にふりかかる困難の多さといったら・・・)
8集で「結婚なんてやだー」とごねる安寧公主に、朱允もおんなじことを言っていた。安寧公主の結婚話が進まないと朱允にも困難多し。

そういえば、文媚儿と文薔の落ち着きどころが定まらない文家もたいへん。


▼7集
剑南: 妹妹,你真是巾帼不让须眉

巾帼(jīn guó)不让须眉(xū méi)
俗語:頭巾(女性の比喩)も鬚と眉(男性の比喩)に負けない。男勝りである。

・・・ここでは、司徒静のことをさしているが、その師匠の「黒頭巾」静修も「女丈夫(nv3 zhàng fu)」。
司徒剣南を文韜殺害の冤罪で処刑しようと目論む「鬚と眉」(文章)を負かすのは、静修の物証である。でもそんな彼女も「鬚なし」の皇上と白雲飛にはなかなか勝てない。


十干から読む物語の流れ

五行「木火土金水」のそれぞれに陰陽が組み込まれ十干が当てはめられた陰陽五行思想は、自然の移り変わり、人間の内面的外面的変化、政治や道徳など、あらゆるものの変化と不変の全てを説明する、という。
十干「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」は、植物の成長過程と万物の生成変化を重ね合わせたものである。
この十干と、「刁蛮公主」の物語の流れを重ね合わせると以下のようになるだろう。



(以下、物語の核心・結末に触れる部分あり)

(木行の陽)甲:
種子がいまだ固い殻に覆われている「万物符甲」の状態。

小龍蝦は、善心を備えているが、自分勝手ないたずら心も多く持つ。
朱允は、宮中朝廷に問題を抱えている。
白雲飛は、不服ながらも父王の命で入城する。

(木行の陰)乙:
固い殻を突き破る「万物生軋(しょうあつ)」の状態

小龍蝦(甲殻に覆われている)、九連環(匣に入っている)を割る。
小龍蝦の善心に触れ、小龍蝦、朱允、白雲飛が義兄弟の契りを果たす。

(火行の陽)丙:
柄のように芽を現す、成長の著しい「万物炳然(へいぜん)」の状態

朱允は小龍蝦の力を借りて斉国候の財宝・兵器を国庫に入れ、尹框として安民村にも資金をもたらす。
安民村が文韜に燃やされる。
剣南は、小龍蝦のためにあえて冤罪を受ける。

(火行の陰)丁:
勢いさかんな「万物丁壮(ていそう)」の状態

朱允は、静修の物証で剣南の冤罪を晴らし、斉国候の財宝で難民問題を解決する。
剣南・文薔の愛情が高まるが、文薔は梁君卓との結婚を強いられる。

(土行の陽)戊:
盛大に生い茂る「万物茂盛」の状態。

安寧公主が入城する。
朱允・白雲飛は、司徒静に愛情を抱く。
文薔・梁君卓の結婚話が進む。その結果剣南・文薔が心中、駆け落ちする。


(土行の陰)己:
成長が極まり万物みな紀う(ととのう)状態。

安寧公主の助力あって、剣南と文薔が結婚する。
安寧公主は、司徒静と友情を結ぶ。
剣南は、将軍に任命される。

(金行の陽)庚:
成長がここで改まり、花が散り実を結ぶように変化する「万物改更」の状態。

白雲飛が安寧公主との婚約解消を申し立てて死刑の宣告を受け、司徒静が偽勅旨を出して牢に入るが、
朱允の過去の勅旨によって解放される。
朱允と司徒静が愛情を結ぶ。
離恨天は脱獄、毒酒でクーデターを企てるが失敗する。

(金行の陰)辛:
実をつけた状態からまた新しい世界へ至る「万物新生」の状態

白雲飛が軍撤退の条件として、安寧との婚約解消と司徒静との結婚を提示する。
朱允が司徒静を手放す。
白雲飛が安寧を見つめなおす。


※(水行の陽)壬:
新たな種子が固い殻に次の命を育む、懐妊「万物任養」の状態

司徒静は、雲南国軍の本営で実の伯父と出会う。
朱允は、司徒静を皇后にすることを約束する。

※(水行の陰)癸:
種子が芽吹きのときを揆る(はかる)「万物揆度」の状態

静修は皇上暗殺・内乱を図る。
朱允は、退位の意思を告げる。
白雲飛は、父王に軍撤退を進言することを決意する。

※水行の陽と陰は、物語では順序が入れ替わり、癸→壬と推移するようである。

(全ての要素は連続しており、ある段階で次の段階が頭をもたげていたり、前の段階が尾を引いていたりするので、事象の位置のとらえかたはこの限りではないと思う。)




「仁」にまつわる語


小龍蝦は仁徳の篤い子だが、それもそのはず。
中身は虾仁(xia1 ren2) エビの剥き身である。
吓人(xia4 ren2) だけど。


▼4集
文媚儿: 难民? 什么是难民啊?
朱允: 朱门酒肉臭啊...
この語句に「路有冻死骨」と続く。「朱門(金持ちの家)には酒や肉が腐るほどあまっているが、道には凍え死んでいる人がいる」

为富不仁(wéi fù bù rén)
成語:金持ちには血も涙もない。
・・・白雲飛も梁君卓もお金持ちです。


▼5集
小龙虾: 真是小白脸靠不住
ほんとに男前は当てにならない。

斉国候の蔵に盗みに入るのを手伝うといったのに、爽约(shuǎng yuē)(約束に背く)尹框のことを小白脸(男前)と言って罵る。

巧言令色 鮮なき(すくなき)かな仁
『論語』口先上手の顔よしは仁の心に欠ける。
と言いたいのである。

「賊」にまつわる語


▼1集
偷书不为贼(tou1 shu1 bu4 wei2 zei2)
書を盗むものは賊と見なさない。(文人が書を盗むのは学問のためだから見逃す)

・・・朱允が書の最中に秋心に襲撃されるがこれをかわし放逐するのは、まさにこれ。

ちなみに、
笔扫千军(bi3 sao3 qian1 jun1)
筆が千軍を一掃する。

笔下超生(bi3 xia4 chao1 sheng1)
判決・評価を下すときに情けをかけて手心を加える。

という語もある。
この秋心の襲撃を筆一本で避けたことで、離恨天のクーデター軍を無に帰したともいえるし、
筆を宙に飛ばしている間に秋心を屈させたのも、「筆の下で生きのびた」ともいえる。
後半の偽勅旨事件でまた生きてくるモチーフだ。
朱允の筆は無敵です。




贼走关门(zei2 zou3 guan1 men2)
どろぼうが逃げてから戸締りをする。あとの祭り。贼去关门。

・・・梁君卓との結婚式の当日に文薔の脱走を手伝う小龍蝦。文薔の花嫁衣裳を着替えさせながら、万人敵に「戸を閉めて!」と言います。その後逃げ出すが、これだと"关门贼走"。だから、脱走成功とはならなかった。

化名(仮名)から見る成長の鍵

「刁蛮公主」は、仮の名の「現在の姿」から本名の「本来の姿」になっていくまでの三人の成長物語が軸である、といえる。


いくつもの問題に憂いていた朱允は真の皇帝として独り立ちし、 素朴な善心のあるチンピラとして自分を生かしていた司徒静は冷静な判断のできる一人の女性となり、利己的だった白云飞は一人前の男として動き出す。

その鍵を握るのはそれぞれの名前である。



▼司徒静と小龍蝦が全く異なる名前であるように、沈着冷静な司徒静と豪胆活発な小龍蝦は姿や性格も全く違う人格である。
小龍蝦が「司徒静」という「一人の女性」としての人格になるには、いくつもの脱皮を経なくてはいけない。

小龙虾:本来我叫龙少侠,你看,我这么威猛就知道了,可人们偏把那个少字去掉了。所以剩下龙虾了。
もともとの仮名は「龍少侠」だったという。「少」が取られて「龍侠」、転じて「龍蝦」になり、上に「小」を改めて付けたのだと。

小龍蝦の名が人によって作られたなら、その名を捨てるのも、本人の意思ではない力を借りなくてはならない。その命名そのものがでたらめでまかせゆえ、荒唐無稽で破滅的なイニシエーションを経なければならない。その過程は命がけである。何度死線を踏んでいることか。本人だけでなく、周りの人の命まで巻き込んでの大変身である。
(視聴者からすると、最初の痛快な小龍蝦の印象が強すぎるので、司徒静になっていくスピードについていけないところもあるのだが・・・)


▼皇上朱允は、「君」の字を分解した「尹框」を自分で名乗る。
この名前からは一見「君」は見えてこない。「尹框」としての彼は、皇上の視点を忘れずに行動するが、「混混づきあい」の面から見ると、友達を裏切るし利用するし非情である。(ろくでなしという点では「りっぱな混混」ともいえるが。)
未完成な「尹」に「口」を付け、「框」から「木」と「匚」を取ることで、「君王」になる。
彼はなにを得て、なにを外していくべきか。
手の込んだ仮の名を組みなおしていくのもまた、自分の努力であり、手の込んだ方法である。

また、朱允の「允」の字は、「充」に足りない。
朱が充つるには、なべぶたが要る。それは、小龙虾の「龙」の字にある「ヽ」と「一」である。
(小龍蝦の「龙」の字から 「ノ」を九連環に振り下ろし、「ヽ」と「一」を朱允に与えると、「龙」の字から残るのは「儿」だけである。最後の場面で司徒静が子どもっぽくなってしまうのは、「小儿」になってしまうから。
それで「虾(蝦)」はどこにいったかというと、安寧公主と司徒静に食べられていた。)



▼さて、雲南国王子白雲飛である。
「皇」に通じる「白王」(白の下に王を置くと「皇」になる。だから、朱允は雲南王に脅威を抱くのだ。)
の「王」には一つ多い「ヽ」の多い「白玉」。朱允が白雲飛を「普通の人ではない」と見なすのも道理である。
このひとつの点「ヽ」は彼のかたくなな心だろう。
これを手放したとき、彼は雲南王たる資格を得る。
(「ヽ」は、消失するのではなく、違うところにいくのだがそれはまた別記。)

しかし、小龍蝦にその名を「白嬌娘」とからかわれたように、女の子のように純情すぎる。仮名と本名が姓の白で通じるように、彼の性質は一貫しているが、その一貫性が本来求められる方向とは違うのである。もう、あさってしあさってよりはるかかなたの方向を向いているのだ。その方向を修正したとき、「男子汉」一人前の男になる。
上の二人に比べると、非常にシンプルなはずなのだが、いかんせん、堅固な「玉」なので変化に時間がかかる。





「欺く」「盗む」にまつわる語


▼5集
朱允は、陳林に、小龍蝦らの斉国候の蔵泥棒を手伝うと約束したことを話すが・・・
皇上: 所以朕答应去参加,只是诓(kuang1)他们的。朕还要出卖他们呢。

诓(kuang1)だます、欺く
出卖(chu1mai4)売る、裏切る、売り渡す
このときの朱允の含みのある表情が絶妙。

[皇上清查齐国侯库房物品的清册]
陈林: 多夸皇上机智。先用偷龙转风,再施金蝉脱壳
皇上: 最后的这招敲山震虎。 才是朕的重头戏。

偷龙转风(tou1 long2 zhuan4 feng1)
龍を盗んで風向きを変える。
この前のせりふに出てくる「因势利导(yin1 shi4 li4 dao3)物事の成り行き・勢いに乗じて有利に導く」と同意だろう。陳林の造語?

金蝉脱壳(jin1 chan2 tuo1 qiao4)
成語:セミが外皮を脱ぐように、人に知られずそっと姿をくらますこと。

敲山震虎(qiao1 shan1 zhen4 hu3)
成語:山をたたいて虎をおどろかす。
外側から攻め立てる、ということ?

重头戏(zhong4 tou2 xi4)
歌やせりふが多くて演じるのに骨が折れる芝居。


(在朝廷,跟齐国侯说)
皇上: 难道真是应得市井谣言,说齐国侯在朝廷内取意要许多朝臣作为掩护

掩护(yan3 hu4)
援護する、かくまう、ひそかに援護する、遮蔽物、目隠し

(皇上让齐国侯献纳乒器财宝。退朝后)
齐国侯:(跟齐国公子说, 关于他的兵器财宝都被皇上没收的件)我倒不怕他硬碰硬。
(跟文丞相说,关于刑部的上头让窃贼解放的件)你这想推个一五二六啊?
是谁说的,朝廷里能呼风唤雨的 不就是你吗?

一五二六
これがよく分かりません・・・「ごろつき」とか「ろくでなし」ということ?

硬碰硬(ying4 peng4 ying4)
強硬な態度に対して強硬な態度で臨むこと。火花を散らすような衝突。

插手(cha1 shou3)介入する

低估(di1 gu1)みくびる

闷棍(men4 gun4)不意打ち

怂恿(song3 yong3)そそのかす

中计(zhong4 ji4) (相手の)計略にかかる、罠にはまる。

耍(shua3) ふりまわす、もてあそぶ、操る、からかう [耍刀(刀を振り回す), 耍笔(筆を振るう)

明火执仗(ming2 huo3 zhi2 zhang4)
成語:たいまつをかざし武器を手にする。公然と略奪するさま。
・・・小龍蝦らが斉国候の私牢に入れられるところ、「この件は刑部管轄!」と刑部の役人が現れ、小龍蝦らを捕らえるだけでなく斉国候の財宝や兵器も証拠物件として没収します。成語のとおりのシーン。この後皇上は国庫に入った財宝の一箱を小龍蝦らのために堂々と巻き上げていた。これもまた明火执仗。


「善」にまつわる語


▼5集
小龙虾: 我帮人救人就舒胆嘛。 再苦再累我也愿意。

善を為す、最も楽し。
『十八史略』善いことをするのが一番楽しい。