▼2集
朱允は悟性大師から授かった九連環をもてあそぶ。
これを最も簡単な方法で解くことができた人が自分の貴人となり、難局難題を解決する手助けとなるだろう、 と言われたのだ。九連環は、「ちえのわ」のこと。
小龍蝦は、白雲飛の刀で九連環を割る。
「世の中には助けなきゃいけない人も解決しなきゃ行けない問題もたくさんあるのに、なんでこんなのに時間を無駄にするのさ! 九連環は完全に分かれただろう?」
小龍蝦は皇帝の悩みを言い当て、その解決方法もすらすらと述べる。
朱允は、この人こそが自分の貴人だ、と感服する。
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ここから物語はいよいよ動き出すが、
九連環を解けるのは、この物語世界で小龍蝦しかいなかった。
直感的に行動するから、主人公だから・・・まー、そうだけど、
文字の魔力から読み解くと・・・。
「九」は「龍」の象形に似ていることもあって縁起がよいとされている。
なるほど、「九」と「龙」はよく似ている。
九连环に刀を振り下ろす・・・
「九」に「ノ」を差し込むと「龙」にそっくりである。
でも「龙」には「ヽ(点)」がある、その点はどこからもってくるの?
点は、「环」の王へんの一画目を持ってくる。
「九」に「ノ(かたな)」と「ヽ(点)」を加え、「龙连环」に・・・
いやいや、「环」は一画目を失ったので「坏」となった。
龙连坏。
龍が悪に連なる。
小龍蝦はひとつひとつの問題を解決していくけれど、その一方で別の問題も引き起こす。
(小龍蝦の「龙」 は「ノ」 を失ったので、「不完全な龍」となり、このあとの小龍蝦の行動は、なにかと不完全。
捕まったり、ほかの人を巻き添えにしたり。 この文字の形の変化の話はまた別記。
小龍蝦が問題なく自分の意図を全うできたのは、九連環以前の「イカサマ賭博でもうけた金を難民に分ける」「万人敵を斉国候の賭場から助け出す」、だけである。「万人敵が盗んだ白雲飛の荷物を巻き上げる」はうまくいったようで、やはり白雲飛と打ち合いになってしまうし・・・。これは、腕飾りの呪いである。その話も別記。)
完全に分かれてしまった九連環を、ひとつひとつの九つの環に戻していくのは、朱允の役目。
彼は「坏」 を「怀」に変えていく。
そして、彼の小龍蝦もとい司徒静への想いも変わっていくのである。
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